2017年2月28日火曜日

角のみ機の刃


角のみ機の刃です。
これで、ほぞ穴を開ける、なかなか美しい姿です。
丸いドリルが四角い鞘の中で回り、四角い穴を開けることができます。


ドリルは、上に抜くと外せます。


角のみ機は、おもに建具屋さんが使ったもの、この二つの穴はどんな時にあけたのか、わかりません。
今、建具屋さんは、完全にコンピュータ化しています。数字を打ち込めば、機械が自動的に材を運んで、自動的に刻んでくれます。
だから、旧型の角のみ機もヤフーオークションに出されて、我が家にも格安でやってくることができたのです。
これまで、角のみ機の刃は、ビニールハウスの仮設木工室に、お盆に入れて置いてあったので、金属は湿気にさらしたりしてはいけなかったのに、正直、なかなかしっかりと管理できませんでした。


やっと、ちゃんとした道具箱に入れて保管することになりました。


道具箱は、イギリス製、もともとは金庫だった箱だったのでしょうか。
1940年代から50年代につくられたものです。
これまでは、彫刻刀を入れていましたが、彫刻刀は軽いので、引き出しに移動です。
 

カギについている木札は、イギリスの木ではなくて、熱帯の木ラワンです。 


持ち主の名前も書かれていたようですが、読めるのはM and Mくらい、あとは消えかかっていて、読めません。





2017年2月27日月曜日

ヘアブラシ


ここ何年も、どこかのホテルのアメニティグッズの中にあったヘアブラシを、なんとなく使っていました。
さすがに飽きたので、昨年イノシシの毛と豚の毛混毛のブラシを買って、それ以来、気持ちよく使っていました。


ところが先日、ブラシを入れている引き出しの中をよく見ると、毛のブラシがもう二本入っていました。
どちらかが犬用ブラシか、あるいはどちらも犬用ブラシだったか、すっかり忘れています。他にも櫛や、ヘアピン、ヘアゴムなど入っていますが、犬用と人間用を一緒に入れておいたのがまずかったのです。
右は、ドイツのKeller社のもの、ネット検索してみたら、犬用ブラシとわかりました。
右はLa beauという商標、やはり検索してみたら(便利だなぁ)犬猫用ブラシはつくっていないようだから、人間用のようでした。どこがちがうのかなぁ?
どちらも、しばらく死蔵していました。


引き出しから急いでブラシを取り出して、嫌がる犬を捕まえて、いつも毛を梳かしていたのは、こんなブラシでした。
かつては毛のブラシも使っていたけれど、なにしろぱっと取り出すのにわかりやすいこのブラシばかりに、手が伸びていたのでしょう。


豚毛のブラシなら、犬は毛を梳かすのを嫌がらなかったかと試しにやってみましたが、やっぱり嬉しくはないようです。
ちょっと手を弛めた隙に逃げ出してしまいました。


人間用ブラシは、ブラシ入れの引き出しに入れておくと、また、使う機会がいつまでもめぐってこないので取り出して、二か所に分けて置きました。これでもう、犬用だったかどうか迷いません。
そして、まだ残っていたプラスティックのブラシを処分しましたが、できなかったのもありました。


懐かしい、旅行の友のブラシです。
気に入っていろいろな色のを持っていましたが、たった一つだけ残っています。
右の写真の側の真ん中あたりを押すと、


開いて、こんな形になります。
そして、左右両端をつまむと、もとのようにぱちんと閉じます。
もう、旅に出るとしても、持って行くのはブラシではなく小さな櫛だと思いますが、とても捨てられません。
 

引き出しには、ブラシに絡まった毛を取り除く櫛も入っています。
ドイツ製の熊手のような櫛の方が形が面白いけれど、プラスティック製のもよく取れるので、これも残しておきます。






2017年2月26日日曜日

面白いっていえばおもしろいけれど

自分で家を建てていて、思うのはいつも手探りの域から抜け出られないことです。
一つの仕事も、数をこなせば、手順とかコツとかが呑み込めます。ところが、ある仕事にやっと慣れたと思ったら、もうその仕事は終わって、別の種類の仕事に取り掛からなくてはなりません。
窓のストッパーもそうでした。
両開き窓は二か所だけなので二つつけるだけですが、二つつけ終わってから、あぁ、もっと簡単な外づけ金具があったはず、探してくればよかったと思いましたが、後の祭りでした。

両開きの窓は片方が大きくて、通常は大きい方を閉めたままにしておきます。そのため、ストッパーをつけておけば、閉じてある窓が、ぱたぱたしないで安定します。


探してきたストッパーは、意外と厚みがありました。
ということは、深く彫らなくてはならないということです。


しかも、ストッパーですから、中で動かなくてはなりません。
窓枠を組んでありますから、構造的にはなんとかなると思いつつも、組んだところを深く彫ることに、心理的な抵抗があります。
そのため、控えめに彫って、金具を留めてみては、ストッパーが引っ掛かって動かないということを繰り返して、やっとできました。
そして、できてから思い出しました。外づけの小さなストッパーを見たことがあったじゃないかと。


でも、そう思ったときには、この仕事はもう終わっています。


私が窓に取り組んでいる間、夫は開口部に敷居や鴨居を設置するという、重い材料を動かす仕事にかかりきっていました。収める順番があり、でこぼこに刻んだものを、上下左右はめ合わせていきます。
 

開口部は南に一か所、北に二か所と、三か所あります。
最初の頃、
「うわぁぁぁ」
という悲鳴を何度か聞きました。間違えて切ったりしていたのでしょう。密かに部材を作り直している気配もありました。はめ方の順番も間違えたりしていたのかもしれません。
そして、悲鳴が聞こえなくなって、快調にことが進んでいるんだなと感じたころには、その仕事は終わっていました。
また、新しい仕事が待っています。






2017年2月25日土曜日

陶磁郎とその仲間たち


1990年代の半ばから、2000年代半ばまで、双葉社で発行されていた陶芸雑誌『陶磁郎』の、定期購読者へのプレゼント用の、ノベルティ招き猫です。


赤ちゃん招き猫に雰囲気が似てると思っていたけれど、並べてみたら、なぁんだ、色が似ているだけでした。


それにしても、これはいつ見ても赤ちゃんに見えます。
ほかにも、前垂れをつけた猫はいっぱいいるのに、手に打ち出の小槌を持った猫もいっぱいいるのに、これだけが、よだれかけをした、ガラガラで遊んでいる赤ちゃん猫に見えてしまいます。
何故でしょう?
それは、きっと足のせいです。


陶磁郎は、どちらかと言えば、こちらの猫に似ています。
三河のあたりの、耳の大きい猫です。その自慢の耳を、3.11でちょっとだけ負傷しています。









2017年2月24日金曜日

張り子の招き猫


張り子の三毛猫たちです。
黒が黒い!背景に溶け込んでいます。


張り子には、精巧なものは精巧な良さが、稚拙なものは稚拙な良さがあるのが面白いところですが、これはさしずめ、形は稚拙で、絵つけは精巧といったところでしょうか。
高さは15センチほどです。





2017年2月23日木曜日

陽射し


二階は展示室ですから、窓はほとんどつくっていません。
でも、真東と真西に、小さな窓が一つずつあります。
陽が低いうちは朝日が、陽が沈むときは夕日が入ります。
  
 
一番高い屋根の、棟木から真下のところ、真四角く見えているのが、東側の窓です。
 

朝方と夕方、もろに展示物に陽が当たってしまうときがありますが、そう恐れることはないのです。小さい窓ですから、日に日に、そして刻々と陽射しの方向は変わり、同じところにはほんのいっとき当たるだけだからです。
まるで、スポットライトが当たっているようです。


といいつつ、昨日の朝もがっつり当たっていました。
今朝は雨です。




2017年2月22日水曜日

窓づくり


このところ、窓をつくっています。
家に積んであるケヤキから、部材を取り出します。太いものは80×60ミリですが、ほとんどは、厚みが45ミリあれば足ります。
虫が食ったり、一部皮がついたりしている材から切り出すので、何度も失敗したら、代わりがなくなります。


部材を取った後も、まだ細い部材が取れそうなものは残しておきます。
右上に見える削った材は、切り目を入れた鋸の深さを失敗して使えなくなったものです。仕方なく部材を取り直したので、次の出番を待っています。


虫食いが激しかったり、短かったりと、使えそうにないものは薪になります。


ガラスを入れるためのくぼみをつくったとき取り除いた材は、細すぎて、もうガラス抑えにも使えません。
薪ストーブのつけ木にぴったりです。


揃えた部材は、角のみ機でほぞ穴をあけます。


それに、ほぞをつくって差し込みます。


四角い木に四角い木をぶつけるのは簡単なのですが、ガラスをはめるための溝を切って変形させてあるので、とたんに頭がついていかなくなっています。
「えっと、どうはまるんだっけ?」
何度も当ててみて、慎重にやっているつもりでも、ついつい間違えてしまいます。
やれやれ。


枠が、やっと二つできました。


倒れるので、屋根側から支えながら、はめてみました。
最初、ここの窓は下に落とし込む窓にするつもりでしたが、雨仕舞がうまくいきそうもなく、両開き窓にしました。均等割りではなく、正方形+残りという形です。
これから、細い方の窓をつくり、内に開く網戸もつけなくてはなりません。


夫は、南側の引き窓の敷居と鴨居をつくり、取りつけました。
「鴨居には、えらくたくさん溝があるのね?」
「あたりまえだ。ガラス窓と網戸と障子だ」
「えぇぇぇ!障子まで入れるの?やめてぇぇ」
ガラス窓は、敷居にはレールを取りつけるので、これは障子のための溝だったのです。

他人に頼んでいるなら、手間賃のこともあって、「ここが手の打ちどころ」というところで妥協します。ところが、自分たちでつくっていて、材料も買わずにあるものでできるとなると、なんでもやりたいだけやることになり、際限がありません。
母屋はそうでしたが、作業棟はもっとさっくりやるつもりだったのに、なかなかそうもいかないようです。






2017年2月21日火曜日

ミルキー


骨董市で、おもちゃ骨董の店のさわださんの犬のミルキーに逢いました。
三歳の時、重い椎間板ヘルニアに罹り、半身不随になったミルキー、半身不随になってからの年月の方が、後ろ脚も元気だった年月より長くなりました。

半身不随になると、自分で排泄ができず、すべてやってやらなくてはなりません。
排泄を手伝ったとしても、どうしても膀胱を絞り切れないでおしっこが残り、そのため膀胱炎や腎盂炎をおこして、早々と死んでしまうのがお定まりのようですが、ミルキーは下半身麻痺のほかは、元気いっぱいです。
いつだったか、おしっこのさせ方を見せてもらいましたが、すごい!さわださんの手際の良さに、驚いてしまうほどでした。
さわださんがミルキー連れでなかったことは、この五年ほどで一、二回です。
「今日は、かみさんが休みなんだ」
そう、お連れ合いは日曜日にも働いていらっしゃるのです。

そのミルキーが、寒いので着ぐるみを着せられていました。


あっはっは。ユニコーンです。
「いやだよぅ」
と、すぐ脱ごうとします。とくに帽子は苦手、苦行に耐えているといった風情です。


ミルキーと遊んでいたら、さわださんがどこからか、ウサギの土鈴を取り出してきました。
「かわいいっしょ。300円」


かわいいかどうか、よく見る暇もなく、300円用意していた私でした。
帰って見たら、紐は麻かからむしでした。