2017年3月24日金曜日

小さきもの


母からもらった、古木綿のがまぐちについていた、犬張り子犬の飾りものです。
プラスティックですが、なかなか細かい型を使っています。


といっても、前から見ると、「こち亀」の両さんのような顔をしています。

江戸時代に、印籠や煙草入れにつけて、落下防止の役目を持っていた根付文化は、連綿と、今に至るまで続いています。

 
私も、鍵の束、お財布、印鑑入れ、カメラと、なんだかんだ飾りものをぶら下げていますが、この飾りものは大いに普及しているにもかかわらず、的確な名前がないような気がします。

今ではほとんどが工場製品である、プラスティックや金属の飾りものを、「根付」とは呼びません。
携帯電話が普及して、「ストラップ」という言葉が、単なる紐だけでなく、それについている飾りものまでを指すようになったのはいつ頃のことでしょう?早くても1990年代半ば、2000年ごろかもしれません。
では、その前は何と呼んでいたのでしょう?
私が知らないだけかもしれませんが、覚えがありません。


根付は、堅木のツゲやイチイのほか、輸入した象牙や黒檀などを彫ってつくりました。
そんな手彫りの根付から大量生産品のストラップに至るあいだに、こけしのように轆轤(ろくろ)で挽いたものや、練りもの、焼きものなど、手彫りよりはもっと量産ができるものががつくられました。

これらは、いったいなんと呼ばれていたのでしょう?


まぁ、どっちでもいいことですが、犬張り子犬を見ていると、小さな、名もなきものの、来し方が偲ばれてしまいました。










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