2016年7月4日月曜日

ブリキの缶

毎年、七月第一週にはKさんからいただいた、八郷のうずら豆を蒔いています。
うずら豆は莢も食べられ、乾燥豆も食べられるすぐれものですが、莢で食べるなんてもったいない、我が家では毎年、乾燥豆にしていただいています。
今年も種蒔きどきが近づいてきたので、種箱を開けてみたら、ない!うずら豆の種がありません。
「おかしいなぁ」
食品庫に置いてあるビンも全部見てみましたが、見つかりません。
「困ったなぁ」
うずら豆はもう、十年も育てています。長年育てて、長年食べているので、ないと困ります。
Kさんに訳を話して、少し豆をいただこうか、それもあまり気が進まないなぁと、ぐずぐずしていたある日、食品庫の棚の前の方に錆びた缶が出ているのを見ました。


役立たずの缶が前に出ていては邪魔です。
後ろにさげようと持ち上げたら、ずしりと重い、中に何か入っていました。
「何だろう?」
何を入れたか、まったく覚えがないので、開けてみました。 


中には、あんなに探したうずら豆が入っていました。

食品庫の容器は、思いついたときに整理整頓して模様替えすることがあります。いつか、うずら豆に光があたるのはいかがなものかと思いついて、ガラスビンからブリキの缶へと移したに違いありません。
そして、忘れはてていたのです。

中身が見えない容器に入れたとき、シールを貼って表示するのが賢明なやり方です。でも、容器を愛でたい私は、ほとんどシールを貼りません。そして、しっかり覚えたつもりで、忘れてしまうのです。
うずら豆は蒔いても、二、三度煮て食べられるほどの量が残っていました。


ブリキの缶は、以前、恵比寿のアンティークス・タミゼで買ったものです。お店で、錆びたものや汚れたものたちに囲まれて、とっても素敵に見えました。
家で見ると、 飾り物として眺めるにはいい缶なのですが、錆びすぎているので、何か入れるのは、躊躇われました。
そのため何も入れないで、棚の後ろの方で、場所だけを塞いでいたのです。


昨年か、あるいは今年の初めか、うずら豆を移し入れたときは、我ながらいい考えだと思ったに違いありません。
そして、忘れました。
でも、これからは、何が入っているか忘れることはないでしょう。
しかも、豆の植えつけには間に合うように見つかりました。まあ、もう七月二週ですから、今日植えるほかありませんが。
直径14センチ、高さ27センチの大きな缶です。
   

ここまで書いたら突然、母からもらった赤い缶があるのを思い出しました。
慌てて、食品庫の棚を見ると、こちらはからっぽでした。よかった。
赤い缶も、なかなか存在感があります。








2 件のコメント:

hiyoco さんのコメント...

タミゼは雑誌では何度か見たことありますが、春さんは実際に行かれたのですね!そのブリキの缶、いかにも店主の好みっぽいです。恵比寿から黒磯に引っ越す準備をしているところまで知っていましたが、現在も黒磯でやってらっしゃるみたいですね。

さんのコメント...

hiyocoさん
昔は元気があって(笑)、まめで、何度か行ったことがあります。おぼんとかお皿とか、実用的なものを買いました。店主Yさんに紹介されたはす向かいの古本屋さんも素敵でした。そちらではフランスの土のビー玉を買って、嬉しくて、帰ってくるまでふわふわ舞い上がったことがありました(笑)。
タミゼが黒磯と恵比寿を掛け持ちしていたころまで、よく載っている雑誌も見ていたので知っていましたが、雑誌を買わなくなり、すっかり忘れ果てていましたが、ごく最近、知り合いのfbでタミゼがブログをやっているのを知ったところです。
恵比寿は閉めたのですかね?東京脱出は素敵なことですが、お店となるとどうなのか。なんて、他人が心配することではありませんね。
Yさんの好み、やっぱり面白いです(^^♪