2013年7月19日金曜日

はさみ


犬の無駄毛を切ろうとしたら、髪を切るはさみがありません。
おかしいなぁ。普通のはさみとは別の引き出しに入れてあります。
おそるおそる、夫にたずねます。
「まさか、私の菊一文字を知らないよね?」
「はい、はい、お待ちください。ここにあります」
えっ、使うなよ。使ったら返しておけよ。

菊一文字のはさみを別の引き出しに入れているのは、間違って夫がこのはさみで紙やら、魚の骨やらを切ったりしないようにとの配慮からでした。
「何を切ったのよ!」
声が尖ります。
「髭だよ、ひげ」

今はもっぱら犬の足の毛を切ったりするのに使っている菊一文字ですが、我が家で一番高額な、したがって大切にしているはさみです。
夫には以前、このはさみで紙を切ったりしないでと、念を押してあったのですが、なんとか忘れなでいたようでした。
黙っていると、普通のはさみで最中でも羊羹でも切る人ですから、油断も隙もありません。


紙を切ったり、紐を切ったりするはさみは、もっぱらPLUSのはさみです。


もうこのはさみ一辺倒。
以前は、夫や私が職場に持って行って使い、息子たちもそれぞれ持っていたので、 同じものがたくさんあります。
あと、二つや三つあるのですが、今見当たりません。夫には、一つ専用のはさみをあげてあるのですが、私が引き出しに入れておいたのを、どんどん持って行くのです。
「おおい、はさみ取ってよ」
「自分のはさみは?」
「ちょっと見えないし、急いでるんだよ」
「絶対に返して」
「わかってるよ」
そして、夕方、
「はさみ返してよ」
「ちょっと待って、まだあの仕事終わってないから」
二、三日して、
「はさみはどうした」
「あれっ、どうしたかな」
こんなことの繰り返しです。
残念ながら、PLUSではもう同じはさみはつくっていないようですが、何故か、林刃物という会社でつくっています。


ラシャばさみは、左が結婚する時母が買ってくれたもの、右は夫が仕事でドイツに行った時、お土産に買って来てくれたものです。
日本が、ヨーロッパの仕立屋はさみを真似たとはいえ、そっくりです。
このはさみも、布以外のものを切られないよう、別の場所にしまってあります。


残念ながら、夫のお土産のはさみは、段ボールに入れて地下室に置いていた時、使いものにならないほど錆びさせてしまいました。
研ぎ屋さんに持って行こうと思いながら、延び延びになっています。



2 件のコメント:

hatto さんのコメント...

あはは、楽しく読まさせてもらいました。ようかんをハサミで切っちゃうなんて。旦那さん、だめだよ~!しかし、私も昔、洋裁をしていた母のラシャバサミは絶対に他のものを切ってはいけないと何度も言われました。刃物は繊細ですね。

さんのコメント...

hattoさん
例えば夫が、最中を半分だけ食べたいとすると、頭にあるのは、「早く」ということと「切る」ということだけ、はさみを見たらはさみを使います。次の関心は「食べる」ということ、そして食べたら関心は「残り半分を食べるかどうか」(笑)に移り、はさみは抜け落ちます。で、次に私がはさみを使おうとすると、ねちゃねちゃ、紙にくっついたりして、やっと悪事(?)がばれます。しかも、夫が、「半分だけ食べようかな」というときは、結局は全部食べるということ(笑)、「切り分けるな」と言いたいです。
そうラシャばさみは、紙など切ると一気に切れ味が落ちますよね。
その点守備範囲の広いキッチンばさみ、もう持ち手の塗料が全部はげちゃったのに、なくなりもしないで長持ちしています。次には分解して洗えるのが欲しいなと思っているのに、30年以上も働いている、あれは頑丈ですね。