2013年3月4日月曜日

染付の浅鉢


染付の一つの典型的な形の浅鉢は、伝統的にはいったい何を盛るのに使われたのでしょう?
考えもしないまま使って、はや幾霜月、奇跡的に割れもせず、五枚揃っています。


その昔、まだ夫の両親が健在だったころの1970年代、埼玉県の飯能から秩父に抜ける道の途中に両親の週末の家がありました。そこに両親を訪ねた時、ときおり、通り道にあった骨董屋さんをみんなで冷やかしましたが、そこで買ったものです。

模様は、何の変哲もない花紋、浅鉢によくある模様ですが、ちょっと厚めでぽってりしていて、使い勝手のいい浅鉢です。息子たちが小さい頃は、毎日のように使っていました。

その後、浅鉢というより深皿と言った方が似合う、瓢のお皿を手に入れてから、 どちらも同じくらい使っていましたが、瓢のお皿はちょっと薄手だったためか、今では三枚だけになってしまいました。


お皿を、ついがちゃがちゃと乱暴に扱ってしまう夫対策に、割れてもいいからと、十年ほど前に買った浅鉢です。六枚あったものが五枚になっていますが、金継ぎするほどのものではないと、捨ててしまいました。
模様は、松に帆掛け舟。たいして好きではないけれど「許容範囲」と言った程度のものです。染付が昔に比べると安くなっているとはいえ、べらぼうに安い値段でした。

以前はよく行っていた、ひたちなかのお寺さんの骨董市に、荷はプラスティックのコンテナに入れたままそこいらに置いて、客が包まれたものの中から、好きなものを見つけて値段を聞く骨董屋さんがありました。
そこは、いつも超満員、どれも超安値で、それを知っているお客さんが朝暗いうちから駈けつけて、懐中電灯をともして買っている、六時にはもうあらかた売れてしまっている、という噂を聞いていました。お客は、業者さんの方が多いようでした。

家から遠かったので、もちろんそんな時間に行ったこともありません。早くて十時頃だったので、いつも残り物は少なくなっていましたが、売れてしまったのに取り置いているコンテナの中には、「わっ、欲しかった」と思うものが、いっぱい入っていることもありました。

この浅鉢はワンコインでお釣りの来る安さでした。


これもそう、帆掛け舟より模様はずっと好きですが、いくらあちこちのコンテナを見ても、三枚しか残っていませんでした。
「いっぱい持って来たんだけどなぁ」
と言われて悔しい思いをしましたが、致し方ありません。こちらは一枚欠いて、お隣のJさんに金継ぎしてもらっています。金継ぎしてもらっても使おうと思うかどうかは、値段より好みです。

楽しみもありましたが、どんどんフリーマーケットのお店が増え、骨董屋さんは少なくなり、食品目当ての人たちでごった返すようになったので、お寺の骨董市にはもう何年も行っていません。


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