2013年3月12日火曜日

水飴ビン


水飴のビンには、ほとんど好きな形のものはありません。
それでも、骨董市で昔のおもちゃを並べているさわださんに、
「安いよ、200円」
なんて勧められるとつい買ってしまうのは、種入れに便利だからです。
透明で、安くて、口が広くて大きい種も入るビンはそうありません。


とくに比較的新しい、こんな形の水飴のビンが嫌いです。
それなのに、
「こんなに大きくて、500円」
「うぅん...まあ買っておくか」
と言ってしまいました。
このビンはとくに大きく、高さが20センチもあります。真ん中あたりの白い線に見えるのは、二年前の地震で落ちてひびが入っているからです。

地震の時、安定が悪いのか、ガラスが厚かったせいか、水飴のビンはほとんど割れてしまい、これもひびが入りました。


さて、震災二年目に当たる昨日、食器棚にしている水屋の上を掃除していますと、そのさらに上に置いてあるガラスビンのうち、二つだけが水屋の上に落ちていました。
いくらめったに掃除しない場所と言っても、そう前のことではなくて、最近の地震で落ちたようです。


その一つが一番上の写真の、ドングリを入れている水飴ビンでした。
「やっぱり、安定が悪いのね」


もう一つ落ちていたのは、「吉田彌十郎商店」とエンボスのあるビンです。
何のビンだったかわからないのですが、安定の悪さから見ると、水飴ビンだったのかもしれません。
こちらは蓋がなかったので、中に入っていた種は三粒しか残っていなくて、あとはみんな水屋の裏側に転がり落ちたようでした。

でも、この二つのビンくらいだったら水飴ビンもそう悪くありません。
水飴ビンやウニビンは、中身が少なくても大きく見せようと分厚いガラスを使うので醜悪になりますが、それでも、つくりはじめた当初は、大きく見せようという欲に駆られていただけではないのかもしれません。

ウニは高価で、今でも分厚いガラスビンに入っていますが、量で勝負しなくなった最近の水飴は薄い薄いプラスティック容器に入っています。

♪コガネムシは金持ちだ
金蔵建てた蔵建てた
子どもに水飴なめさせた♪

水飴は、貴重だった時代があったのです。

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