2012年10月15日月曜日

何度でも読み返せる本

あっさり眠りにつける日と、なかなか眠りにつけない日があります。
眠りにつけないときは、いろいろ眠れそうなことを考えてみます。現実より物語の世界に遊んだ方がいいかしらと、昔読んだ本を思い浮かべてみることもあります。

ローズマリ・サトクリフの四部作は、一番好きな『ともしびをかかげて』と、一番あとで熟読した『辺境のオオカミ』は、だいたいストーリーをそらで語れます。だけど、
「あれっ、『銀の枝』はどんなお話だったっけ」
断片的にしか思い出せません。


次の夜から、布団の中で、目が疲れるまで『銀の枝』を読むことになります。
何度でもこうやって同じ本を、新鮮な気持ちで楽しむのですから、安上がりと言えば安上がり、時間の無駄と言えば、時間の無駄です。


そして、読み終わると、
「あれっ、こんな話だったっけ」
なんて思ったりします。
幾夜かかけて、何度か読み返したら、『銀の枝』は卒業。
卒業するころには、暗い海に打ち寄せる波や、最後には廃墟となる都市カレバの賑わいが目に見えるようになっています。

ところで、『第九軍団のワシ』はどんな話だったかな?
これも細部まで覚えてないことに気づいて、読み直しです。

 
読みはじめると、『第九軍団のワシ』は、『銀の枝』より、もっといろいろ忘れていることに気がつきます。眠るどころでなくなって、読みふけります。


そうやって、夜が更けて行きます。
最初は焦って、はらはらどきどきするところは、さっと読み飛ばして、安心できるところまで一気に読み進み、後でよく読まなかったところを、じっくり読み返します。


幾晩も楽しめます。

先日来た人が、初対面の人だったのだけれど、机の上に置いてあった本を見て、
「サトクリフだ」
と独り言を言っているのを、小耳にはさんでしまいました。一気に親しみがわきました。
「サトクリフよんでいるんですか?僕も好きです」
なんて言わないところが気に入りました。

近いうち、



『ともしびをかかげて』 も、


『辺境のオオカミ』 も、また読み返すことになるかもしれません。

私にとっては、何度読み返しても好きな本です。

2 件のコメント:

昭ちゃん さんのコメント...

 春さん再度籠について。
竹ですから水がもれますね、農業用水の溜池で水が漏れるところがありました。
しょうけつつみ(堤)と呼ばれています。
 豆腐を運び四角い籠も「しょうけ籠」です。

さんのコメント...

昭ちゃん
完全復帰ですね。ぼちぼちやってください。
水が漏れるからしょうけ堤とは、昔の人は粋ですね。ところがとくに九州の籠師さんたちは腕が良くて、なかなか水も漏れないしょうけもあるんですよ。だから、水切り籠のためには、うんと穴の開いたのをつくらなくてはだめです。
それと、しょうけ堤はつくるのに苦労して、蛇籠がいっぱい使ってあるということかもしれませんね。蛇籠は、今では金属になっていますが、本当におもしろい方法です。