2010年10月25日月曜日

見つかった布





作業棟の基礎のコンクリート打ちの日が、迫ってきました。その日に備えて、夫が水平基礎に鉄筋を配置しています。
私は足の怪我が治り、やっと松葉杖もとれましたが、まだ普通に歩き回って作業ができません。せめて作業工程の写真でも撮っておこうかと、カメラを向けました。

あれ、変です。いつも土色に染まった作業着を着ている夫が、今日は真っ白なシャツを着ています。
「そのシャツどうしたの?このまま結婚式にでも行けそうな姿じゃないの」
「そうかい。作業着入れの中にあったのを着ただけなんだけど」

おかしい。
二人しかいない我が家で、ときどきおかしなことが起こります。おかしい人はどっち?
とにかく着替えさせようと、作業着入れの中をさがしましたが、作業用のシャツは一枚もありません。たくさんあったのに、いったいどこへ行ったのでしょう。




と、作業着入れの中から、ずっとさがしていた制作中のバティクの布が見つかりました。

S先生に教えていただきながら蝋を置いて、ジャワ留学の出発前に一色だけ染めていただいたバティク。一年後にS先生が帰られてから、もう一色染めようとしているのに、このところ行方不明になっていました。
小 さいものだから、何かに挟まってしまったのかしら、アイロンをかけたものと一緒にしまったかしらと、考えられるところをすべてさがしてみたのですが、見つ かりませんでした。一年先だから時間はあると思いながらも、もしかして、机の上を整理したときに捨ててしまったのではないかという、最悪のことも頭に浮か んでいました。

それが、よりによって、洗濯はしてあるけれど、煮しめ色になった古着ばかり入っている作業着入れの中にあるなんて...。
いったい、真っ白なシャツと、バティクが、どうして作業着入れに入っていたのでしょう?




制作中のバティクは、あと一色、茶色を染めると、ジャワ伝統のバティクの色合いになります。




ジャワ更紗の模様にはすべて意味があるそうですが、この正方形を二つに割った三角形の組み合わせの模様は、身体にまとって、病気平癒を願う模様だそうです。
なくさないでよかった。しっかりしまっておきました。


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