2010年8月2日月曜日

鯛持ち招き猫



猫が魚好きというのは、考えてみれば不思議な気がします。
野生のころでも、飼いならされてからも、猫自身が、熊のように魚を捕ることがないからです。

猫は、リビアに住む、野生のリビア猫が飼いならされて、人間と暮らすようになったと言われています。時が経ち、人間と暮らす猫が、ユーラシア大陸全体に広がり、日本へは、奈良時代に唐から、船上で仏教の経文をネズミの害から守る目的で、連れてこられました。
次に日本に猫がもたらされたのは江戸時代で、長崎貿易が行なわれていたころ、今度は食料をネズミから守るために、東南アジアあたりの猫が船に乗せられてやってきたそうです。

まったくの推測ですが、日本では、かつてあちこちで魚を干している風景があって、それをお腹をすかせた猫が盗んだので、猫と魚が結びつけられたのかもしれません。
しかし、日本以外の地域の猫は、いったい何を好物として生きているのでしょうか。『赤毛のアン』に登場する猫たちは、牛乳しか飲んでいなかったようですが、カナダの猫全体がそうだったのでしょうか。

いずれにしても、恵比寿大黒の恵比寿猫が鯛を持っているのは、当たり前といえば当たり前です。




しかし、恵比寿様ではない猫も、鯛を持っています。

りっぱな鯛を担いでいる猫は、(たぶん)瀬戸でつくられている猫です。磁器のつや消しの猫で、裏には「彩」という印があります。「彩」印の招き猫は、どれも目が細いのが特徴です。




この猫、「彩」の猫にそっくりですが、磁器ではなくて陶器製です。
日本ではなく、プノンペンの、CD屋や雑貨屋の並んでいる、観光客なんか来ないようなお店で買いました。
高さが20センチ以上ある大きな猫で、600円ほどでしたから、日本製でないことは確かです。仕上がりは丁寧で、なかなかよくできています。




裏側には、波が砕けているところが表され、ちゃんと彩色してあります。




郷土玩具の中には、鯛をくわえたものもあります。これは、堤人形でしょうか。




可愛い張子の招き猫も、




磁器の招き猫も、鯛を持っています。




お土産物にも、鯛を持った招き猫があります。




櫻井魔巳子さん作の猫が持っているのは、鯛ではなくて金魚に見えます。




もう一つ、猫のことで不思議なことがあります。
カンボジアにいたとき、農家の猫をかまっていて、喉を掻いてやっても喜ばないことに気づきました。一匹だけでなく、どの猫も、目の周りや耳の後ろは喜ぶのに、喉は喜びません。しかし、日本の猫はまちがいなく、喉を掻いてやると、顎を前に突き出して、気持ちよさそうにします。
どうして、気持ちよさに地域差があるのでしょう?さっぱりわかりません。




カンボジアの猫の全部が全部、このようにねじれてリラックスしているわけではありません。
それにしても、我が家のトラは太っている方ではありませんが、カンボジアの猫と比べると、丸々と見えてしまいます。







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