2010年6月26日土曜日

油さし



家の建設に手間取ったせいで、地下の物置に入れておいた、100年も昔の、祖母のシンガーミシンをダメにしたのは、本当に残念なことでした。
木の部分が湿気ではがれたりして、がたがたになったので、ミシンはミシンで取り外し、踏み板のついた足の部分は、ケヤキの甲板をつけて、テーブルにしました。

ミシンの両脇についていた引き出しには、糸巻き、押さえ金各種、油さしなどの小物が、祖母が使っていた当時のままに入っていました。
祖母は、着物を着ていましたが、夏は、家ではあっぱっぱー(ワンピース)を着ていましたので、割烹前掛け、もんぺ、あっぱっぱーなどを、このミシンで縫っていたのでしょう。




油さしは、ミシンの必需品でした。祖母は、忘れずにミシンに油をさしていましたので、ミシンに掛けてある布のカバーに油が浸みて、ミシンの近くを 通るだけで、ぷーんと油の匂いがしているほどでした。

油は、ねじ式の蓋をとって補充します。そして、油さしの底部分(右のものは胴部分)をぺこぺこ押して注油します。右の油さしには、made in Japanの文字が入っていますが、日本語はありません。もっぱら輸出用につくられていたのでしょう。祖母がミシンを買った大正の初めには、日本でのミシンの生産はまだはじまったばかりで、洋服を着る人も少なく、ミシンの大半は、祖母のシンガーミシンのような、輸入品でした。




1960年代でしょうか、金属の油さしが姿を消して、プラスティック製のものに取って代わられたのは...。使い捨てで、便利にはなりましたが、風情はなくなってしまいました。

我が家でも、ちょっとさがしたらこれだけありました。大工道具のメインテナンス用には、通常は、缶に入ってノズルがついた、噴霧式の機械油を使っているのですが...。




プラスティックに比べると、金属の油さしは素敵です。これは、骨董市で手に入れたものですが、もっとも一般的な、どこの家庭にでもあった形の油さしです。




これはイギリスの油さしです。油のタンクが半球形ではなく、円錐形に溶接してあります。ということは、半球形のものより、ちょっと時代が古いのでしょうか。




これもイギリスの油さしです。取っ手に人差し指を入れ、親指でボタンを押すと、油が出てくる仕組みになっています。




かわいい形で、私の大好きな油さしです。油は、蓋をとって補充します。
底をぺこぺこする形のものより手が込んでいるので、使われていた当時は、高級なものだったのでしょうか。


2 件のコメント:

ワークスK さんのコメント...

この金属製のものを「インチラッパ」って呼びませんか? ネット上には情報が無さそうなので‥‥

さんのコメント...

ワークスKさん
コメントありがとうございます。インチラッパとは聞いたことがありません。小さい頃から油さしと呼んでいました。確かにラッパ型ですが、べたべたしているものだし、大切なものだったからか、子どもがラッパに見立てて遊んでいるというのも見たことがありません。
お役に立てませんでした。