2010年2月22日月曜日

インドの土玩具



インドの小さな商店街を歩いていると、煤けたショーウインドーの中に、ときおり色鮮やかなものが置いてあることがあります。なんだろうとのぞいてみると、たいていは極彩色をほどこした土人形です。ほかには、派手な桃色に塗った、木の紅入れなどもあります。
この貯金玉も、でーんと光っていました。大きくて、お金がたくさん入りそうです。
もっとも、お金を入れる口はおざなりに開けてあるので、貯金箱として使う人(子ども)がいるのかどうかは、疑わしいものです。値段は150円ほどだったでしょうか。




このフクロウも貯金玉で、首の後ろに、お金を入れる穴が開いています。フクロウというよりは人のような、なまめかしい表情がなんとも不思議です。高さ15センチの、太っちょさんです。




こんな兵隊さんもありました。顔はインド人ですが、日本の土人形にそっくりです。日本でも、戦前はこんな兵隊さんがよくつくられていました。
文化・習慣・信仰などの違いなどから、世界には、人形(ひとがた)を発展させた民族、させなかった民族(嫌った民族)がありますが、インドは、人形とおもちゃの、一大文化圏です。




こちらは、どなたでしょうか。女性のようにも見えるし、男性にも見えなくはないし。




土のおもちゃより、神様の方が、もっとあちこちで、一般的に見かけることができます。
私は、1998年からカンボジアに暮らすことになったとき、ガネーシャ神とカーリー神にも同行していただきました。ところが、ガネーシャは無事でしたが、夫を足下に踏みつけて、人を食べているカーリーは、トランクの中で、なぜか粉々に砕けてしまっていました。
あまり、私のところにはいたくなかったのかもしれません。あるいは、なにか災いの身代わりになってくれたのかもしれません。




これは、ジャガンナート神です。木彫りのジャガンナートは、日本でもよく見かけますが、土のものは見かけたことがありません。
以前、カルカッタ郊外の友人の家に泊めていただいた時、友人の棚にあって、「なんてかわいんだろう」と、心惹かれていました。その気持ちが通じたのか、数年後にお土産としていただいたものです。うろ覚えですが、お祭りのときだけに売っていたものだったかと思います。

顔の黒いのがジャガンナート、顔が白いのは兄のバラバドラ、そして、顔が黄色くて小さいのが、妹のスバドラーです。すごくかわいいのですが、バラバドラとスバドラーの鼻を欠いてしまいました。もしかしたら、チャイを飲むコップのように、土は干してあるだけで、焼成していないのかもしれません。

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