2010年2月21日日曜日

キンマの道具 石灰入れ



嗜好品ビンロウとプルーの葉を噛むとき、必要なのが石灰です。新鮮なプルーの葉の上に、ペースト状の石灰を薄く塗り、で切った生のビンロウ、あるいは薄切りにして乾燥させたビンロウを置き、葉でくるんで噛みます。石灰はたいてい、このような真鍮の容器に入れます。
タイの石灰入れも、よく似た形をしていますが、私の持っているものは、全部カンボジアスタイルのものです。大きい方の高さは、13センチです。




蓋をとってみると、中に石灰が残っています。小さい容器の方の石灰は、赤く染めてあります。だから、なおさら唾を吐くと、真っ赤に染まっているわけです。




ずんぐりむっくりした形のものもあります。高さが6.5センチほどです。真鍮は、鋳込んだあと、轆轤で表面を引いてあります。
なぜかプノンペンでは石灰入れを目にすることが多く、まだ西側諸国に門戸を開けはじめたばかりの、1990年ごろにも、寂れたプノンペンの銀器屋さんのお店に、石灰入れが並んでいたような記憶があります。




これが石灰と水(たぶん)を入れて、突いてペースト状にする容器です。やはり真鍮の突き棒で突くのですが、あいにく私は棒を持っていません。
この筒は、底が抜けているのですが、使っているうちに底の方には石灰が詰まって、乳鉢のようになります。底を抜いてあるのは、掃除がしやすいからでしょうか。
体系的に集めているのではなく、行き当たりばったりに、一つ、また一つと好きなものだけ買ったので、コレクションはだいぶ偏っています。いつか、素敵な棒に行き当たるときがあるかと思います。

今回の旅で、トゥールタンポン市場で、やはり金属でできた、浮き彫りの美しい、刻んだ煙草を入れる容器を見ました。しかし、「あとで」と思って、CD屋をのぞいたり、お土産を買ったり、モダマはないかと見たり、ドーナツを揚げながら売ってないかとさがしたり、あちこち、歩きまわっていたら、煙草入れを見に戻ることを、すっかり忘れてしまっていました。

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