2009年11月8日日曜日

台所道具 ご長寿編



お鍋などは、いろいろ使いつぶしてきましたが、それでも我が家には、ご長寿な道具たちがまだまだ残っています。
これは、夫が留学していた1968から1970年までに、アメリカで買ったものたちです。
1ドルが360円の時代、理由なしには海外に行けなかった時代、日本にはまだアルマイトのボウルしかなかった時代。
マサチューセッツ州の小さな町に落ち着いて、台所道具を買いに行ったお店では、普通のお店なのですが、あれもこれも「もの珍しく、美しく♪」、時間が経つのも夢のようでした。




いまでは当たり前のステンレスのボウル、とっても薄くできていて、ちょっとでこぼこになっていますが、ばりばりの現役です。最近は無印良品から同じような形のボウルが出ていますが、それまではあまりない形でした。一番大きなボウルの重さは227グラム、同じくらいの大きさの無印のボウルが327グラムですから、これがどんなに軽いかわかります。

赤いパーコレーターは、北欧のお皿などを美しくディスプレイした、デザインショップという名前のお店で買いました。当時は夫が学生、私は乳児を抱えて、貯金を取り崩すたけのこ生活でしたが、ベビーシッターをして、このお店でお皿などを買うのが、私の最大の楽しみでした。おそろいのミルクパンもあったのですが、夫がミルクを温めたまま忘れるなど酷使して、中のホウロウがだめになって、数年前に泣く泣く廃棄しました。




そしたら、一昨年でしたか、Old Friendで黄色いミルクパンを見つけました。Old Friendで北欧のものを売っているのは珍しいのですが、きっとイギリスの家庭で使われていたものなのでしょう。
アラビアのこのシリーズはホウロウが(鍋生地が)とても薄く、したがって軽くできています。とても使い勝手がいいのですが、夫から隔離するために飾り物にしてあります。夫はいまでも、ミルク入りのコーヒーを温めて、吹きこぼれさせたり、焦げつかせたりするのはしょっちゅうですから、専用の、惜しげのないお鍋を使ってもらっています。
このお鍋でにんじんのグラッセをつくると、とても美しいのです。元のお鍋は赤でしたが、黄色でも、にんじんグラッセはよく映えそうです。




ラゴスティーナの圧力鍋もご長寿です。
2、3年前圧力がかからなくなって、代理店に電話しました。買ってから一度パッキングを換えたのですが、今回はパッキングのせいではなさそうでしたから。
「鍋底に数字が刻んでありますが、何番でしょう?」。
ひっくり返してみると、もう消えかかっていますが、うっすらと数字が読めました。
「77と彫ってありますが」、「では、1977年製造のものですね」。「そうだったんだ」
けっきょく押え金を取り替えていただいて、よみがえりました。

圧力鍋では、もち米、玄米を炊くだけでなく、干し豆類を煮るのによく使います。また、栗のシーズンになると、毎日のように栗を茹でます。それにしても、今年の栗は、例年より虫が多かった。ぶつぶつ文句を言いながらも、何度も茹でました。栗も早稲から晩生までいろいろあって、長く楽しめます




このフィンランドのお鍋、サルパネヴァもたぶん、そのころからあるものです。最初は煮込み料理をつくっていましたが、ちょっと小さめなので、今ではもっぱらご飯を炊くのに使っています。
私は、ぺらぺらの薄いお鍋でも、蓋がよくしまらないお鍋でも、どんなお鍋でもご飯を炊けますが、サルパネヴァで炊いたご飯はおいしいので、2回に1回くらいは、このお鍋が登場します。

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