2017年10月17日火曜日

『手わざ帖』


西表島の『手わざ帖』(NPO西表島エコツーリズム協会編)三部作です。
一冊目はアダンとマーニ(クロツグ、Arenga ryukyuensis)を使った、いろいろな細工ものを紹介しています。
 

アダンの葉でつくるゴザや籠は知っていましたが、芯が食べられることや、


気根からよい繊維が採れることは、全然知りませんでした。


マーニ(クロツグ)です。
マーニの芯は、生で食べられるそうです。ヤシは、素晴らしい!


私の持っているカエルと指ハブは、マーニでできています。


『手わざ帖』の二冊目は、わら、竹、すすき細工です。
竹の種類は違いますが、この巻に紹介されている細工の材料は、全国どこでも手に入りやすいものばかりです。


すすきの箒は、ちょうど今がつくり時でしょうか。


三冊目は、クバ(ビロウ、Livistona chinensis)、ピデ(コシダ、Dicranopteris linearis)のほかに、ソテツ、月桃、茅、芭蕉などの細工が紹介されています。


ビロウは、シネンシスとありますから、東アジアの種だと思います。東南アジアのビンロウ(Areca catechu)とは科も違いますし、木姿も葉も似ていません。
でも、タイ南部にもそっくりの、葉っぱの水くみ(つるべ)があります。

『THAI FORMS』より

我が家にもありましたが、留守宅を息子に提供していた時、息子の犬(最終的には我が家に来たアルシ)が齧ってしまったのか、失われてしまいました。
『THAI FORMS』のキャプションには、材料が「ヤシの葉」と書いてあるだけ、私はココヤシの葉と思っていましたが、ビロウに似た葉で、ココヤシではなかったのかもしれません。


クバの水くみだけでなく、ひしゃくも素敵です。


ソテツの葉や月桃の葉でも、いろいろなものがつくれるようです。
以前アダンの葉の茣蓙を使っていましたが、月桃でも茣蓙が編めるようです。

『手わざ帖』は、薄くてハンディです。
キャンプなどに持っていくと、すぐ楽しめそうな反面、あまりにも素人編集的で、美しい本ではないのが残念です。同様の内容で、フィリピンやタイには、美しい、手元に置いておいて何度もページをめくってみたいという本があります。
日本では、ハウトゥーものと言われる本が、出版物のうちの大きな割合を占めています。それらはやがて、膨大なネットの情報には太刀打ちできなくなって消えていくかもしれません。工作やお料理のレシピは必要な時だけ見ることができるし、動画でさえ見ることができます。
だからこそ、それを逆手にとって、ネットでは得られない、魅力にあふれた美しい本をつくる時代が来ていると思います。
これが、そんな、美しい本だったら、どんなによかったことでしょう。


と言っても、なかなかいい本でした。そして、この写真は素敵でした。






2017年10月16日月曜日

必需品も骨董市で

つくばいに置いていたひしゃくが失せました。
「子どもたちがいっぱい来たとき、遊んでどこかへ置いちゃったんじゃないの?」
「そうかなぁ」
どこへいってしまったか、忽然と姿を消したひしゃくは、もう一か月も経つのに出てきません。

つくばいの上に置いていたひしゃくは、つくばいから、メダカの鉢に水を足したり、植木鉢に水遣りしたりする必需品です。
ホームセンターで、気に入るのがあるかどうか、はなはだ疑問ですが、そろそろ買うことを考えなくてはなりません。
そんなおり、骨董市でひしゃくを見つけました。


デッドストックか、10個ばかりあって、ほかは全部黄色いアルマイト製でしたが、一つだけブリキ製のがありました。
しかも、柄のつけ方がねじ式ではない、釘で留めたものです。
今まで使っていたひしゃくもブリキ製でしたが、柄はねじって留めるようになっていました。木の柄の方はすっかり傷んでしまったので、どうやって、柄を取り換えようかと悩んでいたところでした。


このひしゃくの柄は、釘で留めてあったのですが、ぐらぐらしていました。
そこで釘を抜き、柄をしっかり差しなおして、ビス止めしました。


柄も、何の木かしら、なかなか素敵で、木の反りが反対向きに留めてありましたが、それでは不自然、下へと反るように留めました。
我が家にあったひしゃくの柄も、アルマイトのひしゃくについていた柄も、白くてつまらない木でしたが、この木は色もよく、雨ざらしにするのが惜しいくらいです。
500円のシールが貼ってありましたが、300円にしてくれました。


さて、久しぶりに夫も一緒に行ったのですが、夫はラチェットレンチを買いました。うちでは、「かちかち」と呼んでいる、単管パイプを組み立てるとき使う道具です。
「あら、家にあるじゃない」
「一本しかないよ」
「探せば出てくるんじゃないの?」
「ないない。すごく探したんだ」
「そうぉ?」
三本もあったのに、毎回ちゃんと返しておかないから、なくなってしまうのです。
でも、ラチェットレンチは姿が機能的できれいだから、よしとしましょう。
赤い方が骨董市で買ったものです。






2017年10月15日日曜日

だるまの型


骨董市で、がんこさんの親父さんの店に、だるまの型が並んでいました。
あの、歳の市で売られるだるまの型です。高崎のものでしょうか?
ビルマの、ピッタインダウンの型に比べると、日本のだるまの型は、目が目立ちます。

ずいぶん前から、この形のだるまは手作業ではなく、すべて真空成型の方法でつくられているので、とっくに型はお払い箱の運命になっていたはずです。
どこかの制作元で、長い間お世話になったものだからと、大切にとってあったのでしょうか? 



持ってみると、ケヤキなのか、ずっしりと重く、片手では持てません。

資料的価値から、「一つは手元にあってもいいな」という気持ちが、むくむくと頭をもたげてきましたが、冷静に考えれば、私はだるま研究者でもなければ、張り子研究者でもない、ましてや博物館でもありません。
手元に置く理由が、まったくありません。

型に色を塗ってあるのは、水が染み込まないためと同時に、貴重なものだからほかの家の型と識別するためなのでしょう。
それにしても、だるまにこの青は似合わないと思うのは私だけでしょうか。
なにはともあれ、もし色が、使い込んだ赤だったら買ったかもしれない、青で、やれやれでした。







2017年10月14日土曜日

まぁ、先を行っているね。確かに


今年も、茨城県は、全国都道府県別魅力度ランキングで最下位だったようです。


茨城県出身力士の稀勢の里が横綱になり、高安が大関になりって話題になったというのに、NHKの朝の連続テレビ小説の「ひよっこ」は、茨城県を舞台にしたもので、なかなか好評だったというのに、最下位でした。
 

茨城県の最下位は、五年連続だそうで、気にする向きは気にしていると思います。


でも裏を返せば、茨城には観光では食べていない、地道な生活がそこあるということです。
私はそのことを嬉しく思い、いつまでも最下位でいて欲しいと思います。


「いいなぁ、いばらき」
と思いますが、その魅力に、たくさんの人、特に観光客には気がついて欲しくないとも思います。


外から八郷にきて住み始めた人はよく言います。
「ただ、通りかかったんだけど、こんなところがあったんだ!と衝撃を受けて移り住んだ」
と。


でも、最近は八郷でも、伝統的な、年月が経つとともに味の出る家を建てる人が減ってしまいました。
八郷は山に囲まれた隠れ家的な場所でしたが、ハウスメーカーの家を建て、トンネルを掘って外からのアクセスを容易にし、すべてを失ってからでしか、その良さが再発見されないということが、これから起こるかもしれません。


そういえば、先日行った徳島県は46位、茨城県に次いで最下位から二番目でした。
「よかったなぁ、徳島!」
徳島に乾杯。
茨城に乾杯。






2017年10月13日金曜日

ふっふっふ


犬張り子の後ろ姿の可愛さは折り紙つきですが、ニャンコ先生も、実は後ろ姿が可愛いのです。


招きニャンコ先生が、あれあれ、増えています。


しかも、黒ニャンコまで。
このシリーズの、私が気に入っている黒ニャンコの着ぐるみを着たニャンコ先生を、ちょっと探してみました。
黒ニャンコの着ぐるみのニャンコ先生は見つからなかったのですが、招きニャンコ先生と、黒ニャンコたちのペアが見つかったのです。


黒ニャンコの着ぐるみを着たニャンコ先生も、いつかは、吸い寄せられるように、我が家にやってくるでしょうか?
それとも、やって来ないでしょうか?







2017年10月12日木曜日

木彫りの犬張り子犬


木彫りの、犬張り子犬です。


胡粉を塗った上に彩色しているので、木彫りかどうかわかりにくいのですが、首に結んだリボンの彫りを見ると、木彫りとわかります。


犬張り子の制作は、足が四本に分かれているので、そのぶん型から外す作業が複雑になり、手間のかかる作業ですが、木彫りの方が簡単かと言えば、型がないだけ、誰にでもつくることができるものとは思えません。


彩色は丁寧で、脇腹の飾り布や前垂れのボタンの絵には金彩を施して、華麗に仕上げています。


それにしても、木を彫って犬張り子犬をつくる意図は何だったのか、木彫りのお雛さま飾りに合わせたのか、あまり例を見ていないのでわかりません。


大きい犬のお腹には銘がありますが、漢字一字か、ひらがなかも、不明です。

さて、犬張り子の原型は、平安時代に宮中で祓(はらい)の具として使われた、「犬をかたどった箱」だと言われています。


室町時代になると、犬の形をした犬筥(いぬばこ)ができました。
京都の上流階級の間では、この犬筥を、天児(あまがつ)や這子(ほうこ)などの祓人形とともに、を産室に飾る風習ができました。
犬筥の顔は幼児に、身体は犬に似せてつくってあります。犬は出産が軽く、子犬たちが健康に育つことから、子どもが生まれると、産着をまず犬筥に着せ、それから子どもに着せて魔除けとしましたた。

この風習は江戸時代に入ると、京の町では広く一般化され、犬筥は嫁入り道具に加えられたり、子どもの枕元に飾ってお守りとしたり、雛祭りに飾られたりしました。

 
江戸時代中期には、江戸で、箱型でなく、犬の立ち姿をした、犬張り子が出現しました。
玩具史上出色といわれる、江戸犬張り子です。

江戸犬張り子は庶民の間でももてはやされ、男の子は誕生後31日目、女の子は33日目に、産土神(うぶすなのかみ)に宮参りをするとき、この犬張り子にでんでん太鼓を生麻(きあさ)で結びつけたものが祝いものとして、母の実家や親類縁者から贈られました。この風習は大正年間まで見られました。今でも、東京のたくさんの神社で、犬張り子を授与しています。
また、上方ではこの犬張り子を、「東犬(あづまいぬ)」と呼びました。

張り子とは別に、木彫りの犬の玩具もありました。

 
岐阜県犬山の針綱神社に、織田信長の叔父、織田信康が奉納したという、手彫りの犬があります。
犬山という地名には諸説あるようですが、元々は、「害獣を駆逐するために、犬を野山に放つ」ことを犬山と言ったと言われています。

『日本の人形と玩具』、西沢笛畝著より

そして、針綱神社の祭礼は非常に盛大でした。

『日本郷土玩具事典』、西沢笛畝著より
 
針綱神社では、信康公が奉納した犬を模した木彫りの犬を、大正ごろまで授与していましたが、惜しいことに廃絶していました。


ところが、ネットで見ると、復刻されたのか、今も木彫りの犬が授与されているような記事を見つけました。
定かではありませんが、新しい犬に見えます。


犬のおもちゃを見ると、犬が人とともに生きてきた歴史を感じます。
それにしても、犬張り子はどうして猫に似ているのでしょうか?犬張り子犬は、狼とはほど遠い姿をしています。







2017年10月10日火曜日

ノギス


うちには、ノギスが四本もあります。
一本はちょっと雲隠れしているけれど、私が持っていたもの、夫が持っていたもの、息子のものだったものなど、気がついたら四本もあったのです。

二本は作業場に、一本は夫の机の上に、一本は母屋の大工道具入れでの引き出しに入れてあって、まあまあ使っていますが、私は、板やパイプなど、ものの外側の長さしか、計ったことがありませんでした。


つまりこの絵だと、①しか使っていませんでした。
  1. ジョウ(外側測定面、外側用ジョウ)
  2. クチバシ(内側測定面、内側用ジョウ)
  3. デプスバー
  4. 本尺目盛 (cm)
  5. 本尺目盛 (inch)
  6. 副尺目盛(バーニヤ目盛、cm)
  7. 副尺目盛(バーニヤ目盛、inch)
  8. 指かけ
  9. ベース
ところがノギスは、内径も測れるし、いつもお尻に出てくる、蚊の針のようなもので、深さも測れるのです。
まったく、知りませんでした。
まぁ、知らなかったのは私だけのようで、夫に訊いてみたら、ちゃんと知っていました。


作業場に置いて、いつも使っているものには、何だか目盛りがごちゃごちゃついていて邪魔だなぁと思っていたら、インチが測れるものでした。
やれやれ。
コンピュータなどは、持っている機能のうちのほんのちょっとしか使っていないことは知っていましたが、日常使っている道具もまったく使いこなしていないのには、我ながら驚いてしまいます。